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ちらしの裏側に書くようなどうでもいい事を書き綴る場所。 そして同意者を得たい、そんな人。
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続いていくよ私と君
それから私達の時間

二人で何をしよう
二人で何処行こう

二人でいれば
もうなにも怖くないね




雨のあと 終
ヴァイル×レハト



つめたいあめ
かわかしてくれる
ぼくのたいよう
みーつけた
「やぁ、お寝坊さん」
 衣擦れの音がしたので寝台に目を移せば、とろんとした目をしたのヴァイルが座り込んでいた。微睡む彼に声を掛けると、目を擦りながら「レハトだー」何故か嬉しそうに笑う。なんだよ、やめろよ、可愛いなぁ!
「うん、おはよう、ヴァイル。いや、こんにちは、か」
「こんにちは、って?」
「もうすぐお昼だよ」
「あー、マジ?」
「マジ」
「そっか、よく寝た」
 大きな欠伸をするヴァイルを横目に、読んでいた本を閉じる。隣室のタナッセから奪って――じゃなくて借りてきた物だから、後で返さなくては。にしても、やはり彼は夢見がちな本を読みすぎているような……いや、何も言うまい。
「レハト、いつ起きたの?」
 寝台から降りて上着を羽織るヴァイル。随分前だと私が答えると「起こしてよ」と唇を尖らせた。
「気持ち良さそうに寝てたからさ」
「んー、まぁ良い夢見てたからなー」
「へぇ、どんな?」
「レハトといた」
「で?」
「それだけ」
「なんだ、それ。今と変わらないじゃないか」
「全然違うよ」
 ヴァイルが目を細めて私の頬を撫でる。「な、なに?」いきなりの事に心臓が凄く早くなるのは、えっと、ご愛嬌。彼は私の頬を撫で撫で、妙に満足げだ。「なんだよ」と睨んでやれば、彼は「やっぱ本物だ」笑って、手を離す。
「当たり前だろ」
「うん、今は当たり前。目が覚めてもレハトがここにいる、それが当たり前になったんだ」
 ヴァイルは「長い夢だったよね」なんて気障な事を言ってクスクス笑う。「夢から覚めた気分はどう?」私も同じように気障ったらしく問うと少し考えてから、「夢の時より面白い」とにんまり笑って私の手を取る。ふふん、そりゃあ光栄だな。
「目が覚めたなら出掛けよう。私は腹が空いたよ」
 握られた手を引いて、私は歩き出す。「先に食べてて良かったのに」とヴァイルが不満げに言いながら隣に並んだ。
「一緒に遊ぶなら腹ごしらえも一緒の方が都合がいいだろ」
「そんなもん?」
「そんなもんだよ。あぁ、昼飯をバスケットに入れて貰って中庭で、ってのはどう?」
「お、それいいな!じゃあ、それで!」
「よっし、ならば行くぞ、相棒!」
「おう!」
 いちにのさん、なんて掛け声なんか無くても私達の足並みは奇妙な程に揃う。揃う足音に私達が二人でひとつなのだと感じて、なんだか嬉しい。ちらりとヴァイルを見やれば、彼も嬉しそうだ。
 ふいに目が合って
「ふふっ」
「へへっ」
 互いの心がすぐ近くなのだと知る。
「レハトとなら何でも出来そうな気がする!」
「気がするじゃない、出来るんだ!」
「わはははっ、そうか!ならやってやる!」
「やってみろやってみろ!私達は無敵だ!」
 私達なら何でも出来るし、何処へでも行ける。
 もう一人じゃない。
 二人でなら。
 
 もうなにも怖くないよ。







「レハト、貸した本を」
「あ、すまん、忘れてた」
「…………」
「予想通りだって顔すんな、ぶつぞ」


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