ちらしの裏側に書くようなどうでもいい事を書き綴る場所。
そして同意者を得たい、そんな人。
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だれか全然分かんないけど全然嫌じゃないの
嫌じゃなくって、ええと、ええと、
これは、たぶん、すき?
うん、すきだよ、たぶん
まだわかんないけど、ともだちになれたらいいなって。
ずっといれたらいいなって。
捏造付加設定、幼少期、夢の中での初対面のお話。
ただのオリジナル一直線。
寵愛者様の幼児期が恐ろしく可愛くてお話が書きたかっただけ。
「夢・その1」
ヴァイル×レハト(レハト×ヴァイル)
「きみ、だれ?」
「ひゃ!」
聞き慣れない声が聞こえ、ヴァイルは飛び起きた。
起きてすぐに、その異変に気付く。ヴァイルが座り込んでいるのは真っ白な床で、おろおろと首を左右に振れば真っ白なもやが宙をゆらゆらと揺れているのが見えた。ほんの一瞬前までは柔らかな寝台の上で眠っていたはずなのに。
「……なにしてる?」
くぐもった声が目の前のモヤの中から聞こえた。聴き取り辛いながらも、何処かしら聞いたことのある、懐かしいような声。
「た、タナッセ?タナッセなの?」
震える声で尋ねてみるも返答は無いが、きっと大好きな従兄弟で、いつもみたいに迷子になった自分を迎えに来てくれたに違いない。タナッセでなくても父かもしれないし、ユリリエかもしれない。きっと大丈夫だ、なんたって全然怖くない声なんだから。
一番の問題は置いていかれてしまうことだ。それでけは避けなくては。だから
「えいっ」
ヴァイルは掛け声ひとつ、相手を捕まえる為にモヤの中へ飛び込んだ。
「うわ!」
「きゃ!」
すぐ近くにいたらしい、その人物にぶつかった。まさかこんな近くだとは思わず勢い良くぶつかったヴァイルは後ろへとバランスを崩し尻餅をつく。
「うー、いーたーいー……」
それは相手も同じだったらしく「もぉ、急になんだよぉ……」呻きながら起き上がっているところだった。
「……あれ?」
その影はあまりにも小さい。自分と同じか、それより小さいか。
影はゆっくりと座ったままのヴァイルに近づき、ちょこんと隣にしゃがみこんだ。しかし、すぐそばにいるというのにモヤに包まれていて顔はよく見えない。髪の色や肌の色、着ている服だとか、そんな些細な物は何とか分かる程度だ。
「タナッセじゃない……?」
「なんだ、そいつ。しらんぞ、そんなやつ」
いきなりなんだよ、と不機嫌な声で返され、ヴァイルは慌てて「ごめんなさい」と頭を下げた。
「な、なんで謝るんだ?」
「だ、だって」
「あ!もしかしてこわかったのか!んん、じゃあボクの方がごめんなさい、だな」
「んー、じゃあなかなおりする?」
「うん、なかなおりする」
柔らいだ声音にヴァイルは安心して「なかなおりのあくしゅ」そっと手を差し出す。「え、あ……」一瞬だけ相手は驚いたようだが、「うん」ヴァイルの手を握った。その誰かの手は自分より小さくて、それから妙に握りやすい。自分に合わせて作られたようにぴったりとしているのだ。
妙な既視感に首を傾げながら、その手――それもモヤに包まれていてよくわからないが――をじっと見つめていると、するりと手を引かれる。
「あのさ」
手が離れた事にほんの少し寂しくなったヴァイルに小さな影が言う。
「ここどこか知ってる?」
「あ、えっと?ううん、わかんない」
「じゃあ何か見つけた?」
「あ、さっき起きたばっかりなの」
「……ん」
そうかぁと相手はうんうんと頷くと「じゃあ別のとこ探してみる」ヴァイルから離れて行く。
「あっ、ま、待って!」
慌てて立ち上げり、その背を追って「ひとりはやだ!」ぴょん、とさっきと同じように飛びついた。今度は背中からだったせいか相手は転ばずに踏ん張れたらしい。だが「もーあぶないだろぉ」腕をぶんぶんと振って、ヴァイルを振り払おうとする。
「あのな、ここ危なくないからだいじょーぶだぞ。ずっと前からここいるけど何にもなかった」
「でもこわいもん!」
「こわくないだろ、なんにもないんだから」
「ひとりはこわいの!」
背中からぎゅうと抱きしめると「こら、苦しいぞ!」抗議の声があがり「あ、ごめんなさい!」ぱっと解放した。
「こわがりだと笑われるんだぞぉ!」
「こわいよりいい!」
「なんだよ、こどもみたいなこと言うな」
「ぼく、子供だもん。きみだってちっちゃいでしょ、ぼくよりさ!」
「あっ、気にしてること言うなばか!もぉ、しらない!」
言うと、ヴァイルより小さいその子供は背を向け歩き出す。半ば走るようにしているところを見れば、彼が怒っている事がうかがえる。
「……う」
怒らせた相手にもう一度縋るのは幼いヴァイルでも憚られた。どうすればよいのか分からず俯いていると、前から声が聞こえてくる。
「なにしてるのっ、早く来いってば!」
「へ!?な、なんで?」
「なんでって、なにが?」
「だって、ぼく……」
「ひとりはやだって言ったのはキミだろ」
言って、ずんずんと近づいてくるとヴァイルの手を握って歩き出す。
「……怒ってないの?」
「怒ってるぞ、ちっちゃいのはボクの、ええと、こんぷれっくすだもん」
だったら何故?
問う前に、手を握る彼は立ち止まり「えっとな」もごもごと口篭りながら
「ほっとけない」
ぽつりと一言。
「え?」
首を傾げて、影を見やるとゆらゆら揺れるモヤの間から赤くなった耳が見えた。
「なあに?」
問えば「もういい!」一際大きな声で返される。
「あ、あの、キミは弱そうだからな!ボクが守ってやる!」
ばっと振り向いた小さな影がヴァイルの頭をごしごしと撫でた。
「いいか、ボクがずっと守ってやるから離れるなよっ」
「ん」
乱暴で、けれど優しいその手がヴァイルは嬉しくて、そっと笑った。
「って事あったの覚えてるよね?」
「…………知らん」
「思えばレハトは最初から俺の事好きだったんじゃ「うるさい黙れ馬鹿殴るぞ」
「ちっちゃくて可愛かったんだよなー、見えなかったけど」
「見えないのになんで」
「あえて言えば感触?ていうか匂い?」
「監禁EDと言いキミは変態に近いんじゃないか?絶対サドだ」
「レハト、メタ、超メタな事言ってる」
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