ちらしの裏側に書くようなどうでもいい事を書き綴る場所。
そして同意者を得たい、そんな人。
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不安なのはサニャだけじゃないの?
レハトも?
そっか、みんな不安で悲しくて、でも頑張るんだね
じゃあサニャも頑張るから
今度こそサニャもレハトとおんなじくらい頑張るから
素敵なお母さんになるから。
「誰でも出来る事」 その4(シーン:サニャ)
レハト×サニャ。
サニャ愛情ED後、ヴァイル親友状態。
廊下を二人並んで青い月の下をテクテク歩く。サニャの歩幅は小さいから大きな歩幅のレハトはゆっくり歩いてくれる。
昔はサニャがレハトに合わせてたのになぁ。篭りを明けたら、もうレハトはおっきくて、ちょっと見上げなきゃいけないくらいだったんだっけ。今はあの時よりも背が伸びて、体もしっかりしてて、もう大人の男の人。でも、たまに見せてくれる子供みたいな無邪気な笑顔が好き、大好き。可愛くて、サニャのが年上だから頑張らなきゃって思う。――今までは思うだけだったけど、これからはちゃんと本当に頑張るからね。
「なぁ、サニャ」
ふいにレハトが足を止めた。私も止まると、レハトは「ん」手を差し出す。
「……手?」
「うん」
「ん?」
じっとレハトの手の中を見たけど、そこには何にもなくて。
「あっ」
彼の意図が分かって、私も手を差し出す。レハトは嬉しそうに笑って、私の手をぎゅっと握った。
「じゃあ帰ろうか」
心なしか弾む声で、子供の時みたいに握った手をぶらぶらさせながら二人で歩く。どちらからからともなく、村で覚えた数え歌を二人で口ずさむ。サニャの村だけの歌かと思ったらレハトのとこも同じで嬉しかった。声が重なったり、音が外れてしまったりして、あとちょっとだけ違う歌詞のところもあって。
その歌も終わる頃には帰り道も、もうすぐおしまい。 。声が重なったり、音が外れてしまったりして、やがてその歌も終わる頃には帰り道ももうすぐおしまい。
「サニャは辛くない?」
そんな時、レハトが足を止めてそんな事を尋ねた。
「辛いって何が?まだ何処も痛くないから大丈夫だよ」
「ん、んー、そうじゃなくてね。私と結婚してから、ずっと今まで辛くはなかった?最近は何だかいつも泣きそうな顔してたから」
「あ。サニャ、そんな酷い顔してたんだ……?」
「うん。でも今は少し明るいね。私の知らないとこで解決しちゃったんだね」
私が何とかしたかったのに、とレハトは口角をちょっとだけ上げて笑う。
「もしかしてヴァイルが何か言った?」
「あ、えっと、その、……うん。もっと頑張れって」
「……ふ、ん?そうか、あいつもそんな優しい事言うのか」
レハトはちょっと考える風に眉間にしわを寄せる。そうしていると妙に男っぽく見えてカッコよくて、見てるとドキドキしてくる。
分化前は女性向けの容姿だったから、男になるって聞いて大丈夫かなって思っていたけど、やっぱりレハトはどんな風になっても綺麗でカッコいい。綺麗でカッコよくて、それで強くて賢くて、可愛くて、優しくて、サニャの大大大好きなレハト。
そんなレハトの為になにかをするってきっと大変で、でもきっと嬉しい事だ。なにも出来ないなんて逃げるより、やってから泣いて泣いて、それからまたやって、見返してやる方がサニャに合ってるよね。ふふん、やってやろうじゃない!難しい方が挑み甲斐があるってもんだよ!
「サニャ、頑張るからねっ!」
それにお母さんになるんだ。自慢のお母さんになりたいって思うのは悪くないよね?
繋いだまんまの手をブンブン振るとレハトはクスクス笑って「期待してるよ」そう言う。
「二人で頑張ろうな」
「二人?」
「そう、私も頑張る。サニャがもっと笑ってくれるように」
「あ、そ、そんな、あの、サニャは十分幸せだからっ!」
「じゃあもっと幸せにしたい」
にっこり笑って「嫌なら拒んでいいよ」手を引っ張られて、抱き締められて、耳元で囁かれて「う、あ、ぅー」そんなの恥ずかしくて何も出来なくなるに決まってるじゃない!
私の熱くなったほっぺたをレハトはちょんと突っついて「いいの?」なんて意地悪く笑う。
「い、いいとか、悪いとか、そんなの……」
サニャがレハトを拒むとかないのが分かってて言ってるんだ。悔しいけど、それより胸がきゅうきゅうする嬉しさで、悲しくないのに涙が出てきて。
「いいに決まってるよ……!」
「ありがと、サニャ」
ああ、もうレハトのペースに飲み込まれちゃったよ。「愛してる」なんて何回も聞いたのに全然耳に馴染まずに頭のなかをうろうろする言葉で私を包んで、レハトはサニャの額に軽くキスをする。恥ずかしくて恥ずかしくて死にそうだけど、レハトはこれが気に入ってるらしいから拒むに拒めない。――たぶん恥ずかしがってるのが楽しいんだ。
「あの、レハト」
「ん?」
「んっと」
聞いてみよう。今ならきっと聞ける。今までは駄目でも、今なら。
私は言う。
「これからもサニャとずっと一緒にいてくれる?」
何にも出来ないかもしれない、自分から逃げようとしたサニャが言っちゃいけない言葉かもしれないけど。もう逃げない、あなたのそばでいたいと思うから。これからは、ちゃんとレハトの為に頑張るから、レハトの為にって嘘吐いて自分の為に逃げないから。だから一回だけ。
レハトは……――
「私はサニャとずっと一緒にいるよ」
当たり前じゃないか、って私の頭を撫でてくれた。
その当たり前が私は聞きたかったんだって言うと、一瞬顔をしかめて「じゃあもっと言うから」耳元で何度も同じ言葉を言ってくる。掛かる息がくすぐったくてレハトの腕から逃げ出して、部屋に飛び込む。私の名前を呼ぶ声とぱたぱたと走る音。すぐにレハトも部屋に入ってきて「ひどい」って笑いながら怒ったフリ。
「もう遅いから早く寝なきゃ駄目なんだもん」
「ええ?ちょっとくらいお祝い……」
「ダメ、お祝いはいつでも出来るよ」
サニャのケチって聞こえたけど、聞こえなかった事にする。
部屋着に着替えようと背を向けると「あ、あのさ、サニャ」レハトが私を呼んだ。
「サニャ、あの、サニャも私と一緒にいてくれるって言ってくれる?」
「え?」
「ひ、ひとりは嫌だなって思って、えっと、深い意味はないけど」
妙に歯切れの悪い言い方だったから振り向いてレハトの顔をちらりと見れば、少し困ったような、悲しそうな顔だった。そんな顔見たことないよ、どうしたの?
そう考えて思い出すのは王様の事。レハトとそっくりな境遇。特別扱いされ続けて、誰もそばにいなくて、本当に手にいれたいものを遠くから見つめる孤独で、それでいて強い人。
「ずっと一緒だよ、レハトを一人にしないからね」
出来る事と出来ない事。
王様、ヴァイル様が仰った言葉。サニャにしか出来ない、サニャが出来る事。ヴァイル様が望んでも出来ない事。優越感とかそんなのじゃなくて、それぞれの役割があって、私はレハトの隣でずっといるのが私の役目なんだろう。
私がレハトに笑いかけると、レハトはいつものようににっこりと笑ってくれる。
「私も頑張るから、これからも宜しくな」
静かに笑うレハトは強くて弱くて、きっと王様と一緒で我慢してるんだ。サニャはちっぽけだけど、大好きなレハトが望むなら何だって出来るよ。
「レハト、ずっとずっと大好き」
レハトの為なら出来ない事も出来る。やってみせるから。
こうして私の一日は終わった。
きっと明日も明後日も、こうやって二人並んで一日を終わらせる。ずっと眠ってしまういつかの日まで、こうして二人で笑って一緒にいようね、レハト。
昔はサニャがレハトに合わせてたのになぁ。篭りを明けたら、もうレハトはおっきくて、ちょっと見上げなきゃいけないくらいだったんだっけ。今はあの時よりも背が伸びて、体もしっかりしてて、もう大人の男の人。でも、たまに見せてくれる子供みたいな無邪気な笑顔が好き、大好き。可愛くて、サニャのが年上だから頑張らなきゃって思う。――今までは思うだけだったけど、これからはちゃんと本当に頑張るからね。
「なぁ、サニャ」
ふいにレハトが足を止めた。私も止まると、レハトは「ん」手を差し出す。
「……手?」
「うん」
「ん?」
じっとレハトの手の中を見たけど、そこには何にもなくて。
「あっ」
彼の意図が分かって、私も手を差し出す。レハトは嬉しそうに笑って、私の手をぎゅっと握った。
「じゃあ帰ろうか」
心なしか弾む声で、子供の時みたいに握った手をぶらぶらさせながら二人で歩く。どちらからからともなく、村で覚えた数え歌を二人で口ずさむ。サニャの村だけの歌かと思ったらレハトのとこも同じで嬉しかった。声が重なったり、音が外れてしまったりして、あとちょっとだけ違う歌詞のところもあって。
その歌も終わる頃には帰り道も、もうすぐおしまい。 。声が重なったり、音が外れてしまったりして、やがてその歌も終わる頃には帰り道ももうすぐおしまい。
「サニャは辛くない?」
そんな時、レハトが足を止めてそんな事を尋ねた。
「辛いって何が?まだ何処も痛くないから大丈夫だよ」
「ん、んー、そうじゃなくてね。私と結婚してから、ずっと今まで辛くはなかった?最近は何だかいつも泣きそうな顔してたから」
「あ。サニャ、そんな酷い顔してたんだ……?」
「うん。でも今は少し明るいね。私の知らないとこで解決しちゃったんだね」
私が何とかしたかったのに、とレハトは口角をちょっとだけ上げて笑う。
「もしかしてヴァイルが何か言った?」
「あ、えっと、その、……うん。もっと頑張れって」
「……ふ、ん?そうか、あいつもそんな優しい事言うのか」
レハトはちょっと考える風に眉間にしわを寄せる。そうしていると妙に男っぽく見えてカッコよくて、見てるとドキドキしてくる。
分化前は女性向けの容姿だったから、男になるって聞いて大丈夫かなって思っていたけど、やっぱりレハトはどんな風になっても綺麗でカッコいい。綺麗でカッコよくて、それで強くて賢くて、可愛くて、優しくて、サニャの大大大好きなレハト。
そんなレハトの為になにかをするってきっと大変で、でもきっと嬉しい事だ。なにも出来ないなんて逃げるより、やってから泣いて泣いて、それからまたやって、見返してやる方がサニャに合ってるよね。ふふん、やってやろうじゃない!難しい方が挑み甲斐があるってもんだよ!
「サニャ、頑張るからねっ!」
それにお母さんになるんだ。自慢のお母さんになりたいって思うのは悪くないよね?
繋いだまんまの手をブンブン振るとレハトはクスクス笑って「期待してるよ」そう言う。
「二人で頑張ろうな」
「二人?」
「そう、私も頑張る。サニャがもっと笑ってくれるように」
「あ、そ、そんな、あの、サニャは十分幸せだからっ!」
「じゃあもっと幸せにしたい」
にっこり笑って「嫌なら拒んでいいよ」手を引っ張られて、抱き締められて、耳元で囁かれて「う、あ、ぅー」そんなの恥ずかしくて何も出来なくなるに決まってるじゃない!
私の熱くなったほっぺたをレハトはちょんと突っついて「いいの?」なんて意地悪く笑う。
「い、いいとか、悪いとか、そんなの……」
サニャがレハトを拒むとかないのが分かってて言ってるんだ。悔しいけど、それより胸がきゅうきゅうする嬉しさで、悲しくないのに涙が出てきて。
「いいに決まってるよ……!」
「ありがと、サニャ」
ああ、もうレハトのペースに飲み込まれちゃったよ。「愛してる」なんて何回も聞いたのに全然耳に馴染まずに頭のなかをうろうろする言葉で私を包んで、レハトはサニャの額に軽くキスをする。恥ずかしくて恥ずかしくて死にそうだけど、レハトはこれが気に入ってるらしいから拒むに拒めない。――たぶん恥ずかしがってるのが楽しいんだ。
「あの、レハト」
「ん?」
「んっと」
聞いてみよう。今ならきっと聞ける。今までは駄目でも、今なら。
私は言う。
「これからもサニャとずっと一緒にいてくれる?」
何にも出来ないかもしれない、自分から逃げようとしたサニャが言っちゃいけない言葉かもしれないけど。もう逃げない、あなたのそばでいたいと思うから。これからは、ちゃんとレハトの為に頑張るから、レハトの為にって嘘吐いて自分の為に逃げないから。だから一回だけ。
レハトは……――
「私はサニャとずっと一緒にいるよ」
当たり前じゃないか、って私の頭を撫でてくれた。
その当たり前が私は聞きたかったんだって言うと、一瞬顔をしかめて「じゃあもっと言うから」耳元で何度も同じ言葉を言ってくる。掛かる息がくすぐったくてレハトの腕から逃げ出して、部屋に飛び込む。私の名前を呼ぶ声とぱたぱたと走る音。すぐにレハトも部屋に入ってきて「ひどい」って笑いながら怒ったフリ。
「もう遅いから早く寝なきゃ駄目なんだもん」
「ええ?ちょっとくらいお祝い……」
「ダメ、お祝いはいつでも出来るよ」
サニャのケチって聞こえたけど、聞こえなかった事にする。
部屋着に着替えようと背を向けると「あ、あのさ、サニャ」レハトが私を呼んだ。
「サニャ、あの、サニャも私と一緒にいてくれるって言ってくれる?」
「え?」
「ひ、ひとりは嫌だなって思って、えっと、深い意味はないけど」
妙に歯切れの悪い言い方だったから振り向いてレハトの顔をちらりと見れば、少し困ったような、悲しそうな顔だった。そんな顔見たことないよ、どうしたの?
そう考えて思い出すのは王様の事。レハトとそっくりな境遇。特別扱いされ続けて、誰もそばにいなくて、本当に手にいれたいものを遠くから見つめる孤独で、それでいて強い人。
「ずっと一緒だよ、レハトを一人にしないからね」
出来る事と出来ない事。
王様、ヴァイル様が仰った言葉。サニャにしか出来ない、サニャが出来る事。ヴァイル様が望んでも出来ない事。優越感とかそんなのじゃなくて、それぞれの役割があって、私はレハトの隣でずっといるのが私の役目なんだろう。
私がレハトに笑いかけると、レハトはいつものようににっこりと笑ってくれる。
「私も頑張るから、これからも宜しくな」
静かに笑うレハトは強くて弱くて、きっと王様と一緒で我慢してるんだ。サニャはちっぽけだけど、大好きなレハトが望むなら何だって出来るよ。
「レハト、ずっとずっと大好き」
レハトの為なら出来ない事も出来る。やってみせるから。
こうして私の一日は終わった。
きっと明日も明後日も、こうやって二人並んで一日を終わらせる。ずっと眠ってしまういつかの日まで、こうして二人で笑って一緒にいようね、レハト。
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